株式会社 森八 × NPO法人WAC輝き 就労支援センター「かがやき」
施設外労働で利用者のモチベーションもアップ
業務を発注した企業:株式会社 森八
業務を受注した施設:NPO法人WAC輝き 就労支援センター「かがやき」
企業・施設情報
企業名 | 株式会社 森八 |
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所在地 | 石川県金沢市大手町10-15 |
TEL | 076-262-6251 |
FAX | 076-260-0881 |
URL | http://www.morihachi.co.jp/ |
業務内容 | 和菓子製造販売 |
施設名 | NPO法人WAC輝き 就労支援センター「かがやき」 |
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所在地 | 石川県金沢市間明町1丁目344番地 |
TEL | 076-218-7816 |
FAX | 076-218-7817 |
URL | |
サービスの種類 | 就労継続支援B型事業、就労移行支援事業 |
企業担当者の声
作業依頼のきっかけは?
夏冬の繁忙期に短期アルバイトを募集していましたが、「人が集まらない」「採用や教育にコストや時間がかかる」などの問題で困っていました。ある時、同業他社さんが就労施設を活用されていると耳にし、平成27年のマッチングセミナーに参加してみました。施設のブースを回って弊社の作業を説明すると、引き受けてくださりそうな施設がいくつか見つかり、その中から工場へ出勤可能な3施設が決定しました。
就労施設とのおつきあいは初めてでしたが、施設のスタッフに利用者の指導や管理を一任できると説明していただき、心配や不安が払拭できました。短期アルバイトの指導や管理・進捗確認は社員の大きな負担になっていましたので、それがおまかせできるのは大きな魅力でしたね。
どんな仕事を依頼していますか?
実際に作業がスタートしたのは平成27年の冬期。以来、夏期・冬期の作業をお願いしています。詳しくは6月~8月15日頃と10~12月。夏場はくずきりの個包装、冬はくずきり・わらび餅の個包装、帯シール付け、福梅の箱詰め・袋詰めなどが主な作業です。現在は月~金曜5日間を2つの施設で分担。「かがやき」さんには、うち3日間の9時30分~15時に、利用者3名とスタッフ1名体制で来ていただいています。
作業開始にあたっては利用者さんの専用作業スペースを設置。スタッフの方と相談して、利用者さんの心理的な負担がなく、集中して作業できるように配慮しました。
成果・感想を聞かせてください。
当初はスピードや正確さの面で心配がありましたが、スタッフの方に作業に合った人選や手順の工夫をしていただいたおかげで、これまでに目立ったミスはほとんどありません。逆に、利用者の方々は箱詰めなどの繰り返し作業と非常に相性がよいと感じますね。現在の作業は限定されていますが、今後は少しずつ難易度の高い仕事にも挑戦していただこうと考えています。
就労施設を活用することで、必要なときに必要な人員が確保できる、求人コスト・採用及び教育時間が削減できる、正社員の負担が減少するなど、多くのメリットがありました。実績をふまえ、平成30年度は短期アルバイトは採用せず、3つの施設に作業をお願いする方針です。
現在、全国の障害者は約700万人、その家族は約2000万人おられるとのこと。弊社の社是に「世の中へのご恩返し」とあるように、こうしたおつきあいを通じて障害者の方々への一助になればと思います。
森岡 晋也さん
施設担当者の声
業務契約のきっかけ
森岡さんとは平成27年11月に開催された『企業の障害者就労施設活用セミナー&商談会』で初めてお目にかかり、発注作業内容について丁寧にご説明いただきました。
施設外就労は利用者のスキルやモチベーション向上、工賃アップにもつながり、積極的に導入したいと考えていましたので、ぜひともお引き受けしたかったですね。かがやきでは自主製品として菓子製造にも取り組んでおり、菓子の箱詰め作業の経験があることや、森八さんの専光寺工場まで車で10分という好条件が揃い、トントン拍子にお話が進み、ご契約に至ることができました。そして、平成27年12月から、午前・午後で各3名の利用者と2名のスタッフ体制でスタートしました。
仕事上の工夫・手応え
夏のメインの作業はくずきりの個包装です。くずきり、押し棒、黒みつを小箱にセットし、その小箱を50個単位で箱詰めします。作業の流れは、(1)くずきり、押し棒、黒みつを50個ずつ準備する (2)小箱を組み立てる (3)小箱にくずきり、押し棒、黒みつをセットする (4)向きやラベル破れなどのチェック (5)詰め忘れがないかなどの最終チェック となります。最初にくずきり、押し棒、黒みつ数を合わせることで、50個仕上げた時に、入れ忘れがないか簡単にわかるように工夫しました。
利用者さんが森八さんのスタッフさんと円滑にやっていけるよう、「あいさつをしっかりする」「作業中の私語をつつしむ」など、できる範囲でルールを決めて実践。また、利用者さんの特性や技能面を活かし、臨機応変に分担を変えながら、効率アップを心がけています。そのかいあり、少しずつスピード・技能の向上がみられます。施設外就労では、施設内にはない緊張感が生まれ、達成感もより大きいものになっているようです。
これからの展望は?
森八さんの障害者の就労に対しての理解と配慮には感謝しております。施設外就労は今後も目を向けていきたい分野ですが、障害者との関わりがない企業様からは「利用者さんがパニックになったらどうしよう」「こんなこと頼んで大丈夫かしら」などの声を多くいただきます。でも、実際におつきあいするようになると、森八さんのように「黙々と根気よく働かれるのですね」との声もいただきます。企業の皆さんの不安も理解できます。また、実際に関わることで理解されたり、不安が緩和されていくと思います。
おかげさまで現在、企業様からお声かけいただき、仕事が埋まっている時期も多くなりました。今後は、例年作業が少なくなる1~3月に、安定した作業を確保できるように、企業の皆さまへのアピールを行い、企業様と障害者就労野の『かけはし』となるように努めたいと思います。
お話を伺った施設担当者:管理者・サービス管理責任者 大森 晴代さん